特許出願の流れ
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 発明段階 | 発明のポイントを整理します。 |
| 先に公開されている技術を調査します。 | |
| 出願段階 | 発明の骨子を決めます。 |
| 出願するための書面一式を作成します。 | |
| 特許庁に対して、出願の手続きを行います。 | |
| 審査請求段階 | 特許出願から3年以内に出願審査請求書を提出します。 |
| 必要に応じて早期審査の手続きを行います。 | |
| 応答段階 | 拒絶理由通知への対応の方針を決定します。 |
| 特許庁へ応答の手続きを行います。 | |
| 登録段階 | 特許査定になると、登録料を納付します。 |
発明段階
- 発明のポイントを整理します。
まずは、ご自身で発明した内容を簡単にまとめてみましょう。どのような点に不具合があって、それに対して、技術的にどのような点で工夫されてきたのでしょうか?
必要なら、弊所から提案シートをご提供させて頂きます。
- 先に公開されている技術を調査します。
提案書にまとめた発明が既に世の中にある技術かどうかを調査します。この調査を先行文献調査といいます。
先行文献調査は、特許庁のデータベース(J-platpat)や商用データベースなどを用いて、これまでに公開された特許公報を検索することができます。
先行文献調査は、ご自身で行ってもよいし、ご依頼いただければ弊所でも調査可能です(有料サービスになります)。
先行文献調査の結果、提案シートにまとめた発明とまったく同じ発明が記載された特許公報が見つかってしまった場合など、先行技術との差別化ができない場合には、特許出願自体を見合わせた方がよい場合もあります。
一方で、先行文献調査の結果、提案書にまとめた発明と似たような発明が記載された特許公報が見つからなかった場合であっても、よりよい特許出願にするために、どのポイントを深堀りしておく必要があるのか権利化面・事業化面の観点からアドバイスさせて頂きます。
出願段階
- 発明の骨子を決めます。
先行文献調査の結果、類似する技術が見つからないなど、特許出願をして権利化の見込みがある場合には、先行技術に対して、どこを技術的な課題と捉えるか、どこを差別化のポイントとするか、先行技術に対する有利な効果はどこか等、発明の骨子を決定していきます。
- 出願するための書面一式を作成します。
発明の骨子に沿って、所定の出願書類を作成します。
出願書面は、願書、明細書、特許請求の範囲、図面、要約書からなります。願書には、発明者の氏名や出願人などの情報を記載し、明細書には発明の具体的な内容を記載します。特許請求の範囲は、権利となる請求項を記載します。図面は、発明の内容を具体的に説明するためのものになります。要約書は発明の概要を説明する書面となります。
権利化した場合、特許権の権利範囲を定めるのが、特許請求の範囲となります。
一方、明細書は、特許請求の範囲をサポートし、いわゆる当業者が見て実施可能な程度まで具体的に記載しておく必要があります。
また、後述します応答段階で補正できるのは、出願当初明細書および図面の範囲となります。そのため、特許庁からの拒絶理由を解消できるように、出願時に、発明の改良案や変形例を充実させておおくことが重要になります。
- 特許庁に対して、出願の手続きを行います。
弊所で出願書面一式をご用意いたします。最終確認して頂き、これでOKとご納得いただいた出願書面を特許庁に提出いたします。
審査請求段階
- 特許出願から3年以内に出願審査請求書を提出します。
特許出願するだけでは権利化できず、特許出願の発明が本当に特許にしてよいのか、つまり、新規性や進歩性などの実体的な特許要件をクリアしているのかを審査する実体審査を経る必要があります。
特許庁に対して、実体審査をしてくださいと請求する手続きが出願審査請求となります。出願審査請求を行うに際しては、特許庁に特許印紙代を納付する必要があります。
この出願審査請求手続きに必要な審査請求料は、中小企業であれば、軽減申請が可能です。軽減申請をすることで納付しなければならない審査請求料が1/3になり、10万円近く削減できる場合もあります。
- 必要に応じて早期審査の手続きを行います。
出願審査請求がなされると、実体審査の順番待ちになります。通常はほとんどの場合、9~12カ月程度で拒絶理由というものが通知されますが、この順番待ちに割り込むことができてしまいます。
それが早期審査です。中小企業の場合、早期審査請求の手続きを行うことで、実体審査を3~5カ月に短縮することができます。
早期権利化を図りたい、権利化の可否ついて早く決着をつけたいという場合には、早期審査をお勧めしています。
応答段階
- 拒絶理由通知への対応の方針を決定します。
特許庁に実体審査を請求したのち、9割以上は拒絶理由通知が送達されます。
拒絶理由通知は、このままほっておくと拒絶になりますけどどうしますか?という問い合わせの通知だとお考え下さい。
そのため、この問い合わせに対して、どのように対応していくかしっかりと検討していく必要があります。
拒絶理由通知には、どの根拠条文に基づいて、これこれこういった理由で拒絶の理由を含んでいると説明されているので、その内容を技術的・法律的にしっかりと理解した上で応答案を作成しなければなりません。
そこで、弊所では、まず、拒絶理由通知に対してコメントをお送りさせて頂きます。その上で、出願人様と相談しながら、応答の方針を固め、応答案を作成いたします。
- 特許庁へ応答の手続きを行います。
応答案は、ほとんどの場合、手続補正書と意見書からなります。
事業内容を踏まえながら、弊所で手続補正書と意見書をご用意いたします。最終確認して頂き、これでOKとご納得いただいた手続補正書と意見書を特許庁に提出いたします。
登録段階
- 特許査定になると、登録料を納付します。
拒絶理由に対する反論に成功すると、特許庁から登録査定というものが通知されます。登録査定は、全ての特許要件をクリアしたことを意味しています。
登録査定から30日以内に、登録料を特許庁に納付することで設定登録されて特許権が発生します。
その後、特許公報が発行されます。そして、特許公報が発行された後に、特許庁にて特許証が送達されます。